【お酒を控えたい人におススメ!/女性監督の映画】『28デイズ』<ネタバレなし>の あらすじ ・キャスト・感想

お酒の飲む量を少し減らそうかな~~~と思っている方は、
こんな映画はいかが?


こんにちは 映画案内人 もすりんです♪

泥酔して人に迷惑をかえる人、というのは、
実際にはみなさんの周りにはいないかな~と思いますが、

お酒を減らそうと考えている人には
酔っぱらいを客観的に観るというのも、いいかもしれません。


私もそんなに量は多くはないですが、
毎日なにかしらアルコールを摂取しているので、
休肝日を設けたいと思いつつ・・・

なかなかできていませ~~ん(笑)

■映画『28デイズ』のネタバレなしのあらすじ

ニューヨークでコラムニストをしている主人公のグエン・カミングは、お酒が大好きな自由奔放な明るい女性。

姉のリリーの結婚式には泥酔したまま参加し、結婚式をぶち壊してしまい、
更生施設で28日間のリハビリを行うこととなるが・・・

<映画情報>
製作国/公開:2000年 アメリカ
上映時間:100分
原題:28 Days
監督:ベティ・トーマス
脚本:スザンナ・グラント
日本劇場公開:未公開

ベティ・トーマス監督について
1948年7月27日アメリカ生まれの女優で映画監督で、
1998年の映画『ドクター・ドリトル』の監督。
2000年の映画『チャーリーズ・エンジェル』では製作総指揮。

■映画『28デイズ』の主な登場人物/キャスト

【グエン・カミングス】

ニューヨーク在住の女流作家でアルコール中毒。


・・サンドラ・ブロック(Sandra Bullock)
1964年アメリカ生まれ。
2000年の映画『デンジャラス・ビューティー』に出演し、製作にも携わっていて、『デンジャラス・ビューティー』でゴールデングローブ賞 映画部門 主演女優賞。

【ジャスパー】

グエンの恋人

・・ドミニク・ウェスト(Dominic West)
1969年イギリス生まれの俳優。
映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』
サイモン・アンブローズ役。

【リリー】

グエンの一人の姉

・・エリザベス・パーキンス(Elizabeth Perkins)
1960年アメリカ生まれ。
映画とテレビで活躍中。

【アンドレア】

グエンと同室の17歳の子

・・アズラ・スカイ(Azura Skye)
1981年アメリカ生まれ。
3歳より舞台女優としてデビュー。

【コーネル】

入所施設のカウンセラー。
自らも過去に依存症の経験がある。

・・スティーヴ・ブシェミ(Steve Buscemi)
1957年アメリカ生まれの俳優・監督

【エディ】

グエンのあとから入所した野球選手。

・・ヴィゴ・モーテンセン(Viggo Mortensen)
1958年雨得るか生まれの俳優・詩人・写真家
映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズではアラゴルン役。

■映画『28デイズ』の感想

(ちょっとネタバレありです。)

ぐでんぐでんに酔っぱらったグエン(サンドラ・ブロック)は、
よくもここまで・・ということをやらかしていく。


更生施設に入所しても、なかなか言うことをきかず、
どうにもならないような感じだったあのグエンが、

仲間と心を通わせ、自分の人生を見つめ直していきながら、
少しずつ変化していくさまが描かれている。


いったいこの映画のテーマはなんだろう。
製作した人は何を伝えたいのか。


そのまま、何かしらの依存症を持っている人への警告とも受け取れる。

いわゆるコメディ映画だったら、笑わせてもらって、
楽しくて、いい気分になったわ~で終わり、さらーっと流せるけれど、

この映画では、ラストは笑顔になれるものの、
う~ん、これって どういう意味なんだろう、
何を伝えたいのかな・・とあとからあとから考える機会を与えてくれる。


この映画では、
まずはこんなことを教えてくれているような気がする。

・何かに依存していったん中毒になるとこんなに大変。
・何かに依存していても、そこから立ち直ることはできる。
・立ち直るためには、周りの人の協力も必要。
・お酒に逃げてしまう場合には、それなりの理由がある。
(幼い頃のことも関係する場合もある)
・自分の感情をごまかさず、しっかり向き合い表に出すことが大切。
・自分を取り巻く人間関係との絆も大切。
・自分の立ち位置が少し変わると、人や物事の見え方が変わる。

この映画でのグエンは人間的に成長し、役割がだんだんと変化していく様子から、
自分の立ち位置を変えることがキーなのかなとも。

それにしても、グエンが出所するとき、
エディだけは施設を出たところでグループのメンバーと一緒に見送りすることなく、
グエンの乗ったタクシーが走っているのに、前に突然飛び出して、言葉を伝えるシーン。

正直ドキドキ、何を言うのか・・と期待させてくれるのですが、

その内容を聞くと、

もちろん、最もだという言葉も言っているものの 何この人??
何言っているの?

となる。


エディは女性中毒でもあったので、自己中の女性中毒症状の人は、
こういう感じの人、というのを表現しただけにすぎないのかな・・・とか。


グエンは、この人との恋愛が始まるかな? こっちの人かな? と
あれこれ思い描くが私の期待を見事に裏切ってくれます。


いい映画の要素のひとつには、意外な結末を迎えること でもあるので、
自分の期待が裏切られると、喜んでいる私もいますが(笑)


自分が期待した、エンディングではなかったけれど、
そこに恋愛関係がないという点において、
逆に新鮮で、落ち着いた大人の映画かなと感じさせてくれるのでした。


なぜかと言うと、
恋愛する前に、まずは 自分の生活をきちん立て直すことが必要だよ~ という
伝えてくれる気がするから。


それは、映画の後半のこのシーンからもうかがえる。

ゲルハルト(アラン・テュディック)がいつから恋愛していいのか?
という質問をすると、コーネル先生は、

まずは、植物を買ってください。
そして、1年たったら、今度は動物を飼う。
その1年後、どちらも生存していたら、恋愛をしてもいい

と、答えています。


確かに、恋愛は自立した同士のほうが、うまくいく。

グエンが、自分のことしか考えていなかったのに、
入所してグループのメンバーと交流しながら、
ルームメイトを気遣うようになって、協力しあえるようになる。


このように
周りのことや、周りの誰かを気遣い、協調でき、世話をできるようになることは
自立した人という証しの一つになりそうな。

人の世話ができるようになっているときは、
自分のことはもちろん自分で面倒を見ることができているでしょうし、
自分のことをちゃんとコントロールできるようになりつつ状態でもあるから。
(自分を完璧にコントロールしようと思うと、そこはまたストレスになりそうなので、
あくまでも、コントロールできつつあるで十分だと思うので。)


そして、
周りの人の世話をできるということは、
自己中だった段階から人間的に成長し、
心の余裕も生まれ、はじめて他者を思いやれるようになっている状態。

これでやっと自立した人間ということなのか、と
大人、自立した人間 という新しい定義が見えて気がきがしたのでした。


結婚するにしても、やはり相手を思いやり、
子供ができたら子供の世話をする必要がある。

だから、恋愛するにしても、
誰かに依存したいという気持ちがあっての恋愛では、
依存されたい という人だったら、最初はうまくいくけれど、
やっぱり、だんだんと負担になってしまうはず。


恋愛へ進むには、
人間的に成長する必要があるのよ・・

と、特に何かに依存していない人に対してへも
教えてくれているような感じもしてきたのでした。


なので、話は戻りますが、
エディは、まだ自立できていない人 として、
その途中の人として描かれていたのでしょう。


私は、姉妹で和解する場面が好きな場面のひとつ。
ここでは、お互いに、自分の気持ちを素直に表現し
相手を思いやることが出来ている。


あと好きなシーンとしては、
元入所者のゲルハルトと偶然、花屋で出会って
彼とハグするところ。

グエンの優しい、素敵な表情に癒されました(笑)


殻に閉じこもっていたグエンだったけれで、
心を開き、今度は人をも包み込めむほどの優しさや、温かさをも
みせ始める。

何気ないワンシーンなのだけれど、
すご~く好きで、気持ちがほんわかしてきます。

この映画からは少し外れますが、昨日新聞のある記事を見つけました。

パリの「赤いバラ」といわれた女 ―日本初の国際女優谷洋子の生涯 
という本について著者の遠藤 突無也さんが語っている記事。

その中で、『あおいくま』という言葉について書いていました。

あ・・あせらない
お・・怒らない
い・・威張らない
く・・腐らない
ま・・負けない


感情が乱れたときは、『あおいくま』を思い出し、
心の余裕をもって、謙虚に強く、素敵に生きたいものです(^^)

■映画『28デイズ』のタイトル評

原題は『28 Days』で、邦題は『28デイズ』。

28日というのは、エンジェルナンバーでは、

≪今までの人生の章は終焉を迎えて、輝かしい新たな未来が始まろうとしています。≫
という意味もあるようです。

施設を出るときにふさわしいメッセージですね^^