映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』どこまで事実通りなのか<ネタバレ注意>

「実在の人物の映画」ときくと、【どこまで事実通りなのか】 というところが気になるかと思います。

『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』は観るだけでも、十分価値がある映画ですが、 実在しているパッチ・アダムス という人物を知ったのですから、やはりその人について、知りたくなり まとめてみました。

 

※参考※
映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』について、こういう記事も書いています。

・<ネタバレなし>の あらすじ ・キャスト・感想
・<ネタバレ注意> 【パッチ】の訳についての ひとりごと
・プチ解説①パッチのが白衣を着て腕組みをしている理由他
・プチ解説②<ネタバレ注意>
・アダムス本人と彼を演じたロビン・ウィリアムズの仲は?

【実在のパッチ・アダムスについて】

パッチ・アダムスについては、

パッチ・アダムス(Patch Adams, 1945年5月28日 – )は、アメリカ合衆国の医師。クラウンドクター。本名はハンター・キャンベル・アダムス(Hunter Campbell Adams)という。ワシントンD.C.の生まれ。トム・シャドヤック監督で、ロビン・ウィリアムズの主演による映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』の実在のモデルである。ホスピタルクラウン、クリニクラウン(臨床道化師)を始めた人。現在も世界中でクラウニング活動の実践や、更なる普及に向けて講演活動をしている。日本にも講演会の為に何度か来日している。(Wikipedia)

2019年現在74歳。まだまだお若いです(^^)

 

さらに、映画の最後にも出てきましたように、無料で医療サービスの受けられる病院「ゲズントハイト・インスティテュート」を設立しています。

 

1967年、ヴァージニア医科大学入学。1971年に同医科大を卒業すると、ウェストバージニア州のポカホンタスに、自分の目指す医療のできる、しかも無料で医療サービスの受けられる病院「ゲズントハイト・インスティテュート」を設立する。「ゲズントハイト・インスティテュート」は「お達者(お元気)で病院」といった意味。「die Gesundheit」は元は「健康」という意味のドイツ語でまた誰かが突然くしゃみをした時に、そばにいる人が「大丈夫?」「気をつけて」「お大事に」といったニュアンスで声をかけてあげる時の言葉である。12年間そこで無料の診療活動を行った。(当時はかなり奇異に思われてまったく寄付がなかった為、無料診療を続ける為に他で働かざるをえない状況だった。)(Wikipedia)

上にも書いてあるように、パッチ・アダムスは、1967年、ヴァージニア医科大学に入学しています。

ですから、1945年生まれのパッチが大学に入学したのは、22歳。
卒業は26歳です。

映画の中では、40歳ぐらいで、学生の中に混じると 先生?とも見えそうなぐらい浮いていましたね。(ロビン・ウィリアムスは当時47歳でした)

なので、映画とは違う点になります。

ただ、この映画ではロビン・ウィリアムスのパッチだからこそ、表現できたことがたくさんあると思いますので、それは仕方がないのかもしれません。

ちなみに、映画の中でのパッチは成績優秀でしたが、普通の成績だったようです。

【他の登場人物について】

■カリンも実在する人物なの?

映画の中で無料診療所を開いたあと、カリンが患者に殺されてしまいます。

この点は、本当の話ではないと思いたいのですが、どうだったのかはパッチ本人の言葉からわかります。


パッチ本人へのインタビューの中で
ロビン・ウィリアムス主演映画『パッチ・アダムス』は、いかがでしたか? と聞かれ、パッチは以下のように話をしてくれています。

実は、僕の人生を映画化はして欲しくなかったのです。でも、自分が思い描く病院を建てるためには、資金が必要でした。あの映画で描かれている、エピソードは本当です。しかし、僕の人生は面白く楽しいものだけではないんです。おかしさや楽しさだけに、笑いを使っているのではなく、それは目的の手段として使っているのです。その辺りを描かれていなかったのが残念です。僕は、黒澤監督の『赤ひげ』が好きです。アメリカの赤ひげ・・・のように描かれることを希望していました。


このことからすると、カリンの事件については本当だったことがうかがえますが、カリンの性格は架空のものとはいえ、同様の状況下で殺害されたパッチ・アダムスの友人(男性)に似ているといわれています。

パッチ・アダムスは、映画に対して 批判的ともいえるコメントを残していますが、『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』という映画は、多くの人に感動や影響を与えているのですから、パッチ・アダムス本人が伝えたいことも描かれている映画となると、どんな風な映画になるのでしょうか。

パッチの意向にもっと沿った映画がいつか作製されるかもしれませんね。

映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』の中で、カリンの死後、パッチは自分の志を中断しようとさえしますが、一匹の美しい蝶がパッチのカバンや洋服に止まり、その後 青空に飛んでいくシーンもとても美しかったです。

この蝶についても、カリンが映画の中で自分のことを話しているときに出てくるキーワードですし、無料診療所でのカリンのベットの頭の上につり下がっていたのも蝶ですから、この蝶は カリン だということがわかります。


蝶は、自分の道を断念しようと思い悩んでいるときに パッチのカバンやパッチの胸、そして手にとまり、話しかけてくれているようです。

やがて自然の中、空高く飛んでいく蝶を映し出す映像もとても気にっています。

 

■パッチに影響を与えたアーサー・メンデルソンは実在したの?

驚異的頭脳の持ち主で有名な大富豪のアーサー・メンデルソンについて、パッチのスポンサー的存在のような人はいないか調べています。

ちなみにグーグル先生は、<アーサー・メンデルソン>について

アーサー・メンデルソン
架空のキャラクター
俳優: ハロルド・グールド
映画: パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー

のように、【架空のキャラクター】とはっきりおっしゃっていました(笑)

 

映画のタイトルに、『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』とあると、【トゥルー・ストーリー】だと真に受けてしまいます。

その点、原題は『Patch Adams』ですから、すべが事実かどうかを曖昧にしてくれています。

所詮、すべてをそのまま書くとなると、色々な問題が起きてしまうこともあるので仕方がありませんが、日本語タイトルの【トゥルー】という言葉は個人的には抜いてほしいなと思うのでした。

ま、この【トゥルー・ストーリー】という言葉に疑問を持ったことにより、もっとパッチ・アダムス本人に興味をもつことができたので、それはそれでまあいいかなとも(笑)

ということで、結局 彼の言葉で書かれている本も買うことにしました。

パッチ・アダムス自身が書いたこの本。

(※追記2019年7月)
この本を読むと、自分の傍らにパッチ・アダムスがいて、
熱く語りかけてくるようでした。
医療関係者だけでなく、人としてどうあるのかなども、
しっかり書かれていて、とても参考になっています。

こういう人と知り合いになった人は幸せだろうな~。

この本には、病棟についても子どもたちが喜ぶような建物の絵も
描かれていて、発想力も凄すぎます!!

パッチ・アダムスは、改革者であり、天才であり、救世主なのかも・・
と感じました^^

 

2002年にはこちらの本も出版されています。

最後はパッチの「7つの信条」で締めくくりたいと思います。

1.ひとをケアする理由はただひとつ。人間を愛しているからです。

2.ケアは愛を動詞化する。ケアは概念ではなく、行動です。

3.ひとを思いやるという人生を送ることによって、あなたは自分のなかで一番深い平和と安らぎを得る。

4.良い意味のお返しをすること(良きカルマを積む/カルマからの解放)。例えば、米国がアフガンに爆弾を落とし始めたとき、私はアフガンの人々を愛したいと思い、即座に現地に飛んだ。

5.平和のためにクリエイティブになる。例えば、死の床でアメイジング・グレイスを歌う。

6.情熱を持ち、不可能だと思っていた夢を見る。

7.ひとをケアすることは、科学的見地からしても、あなたのためにいいことがある。

上記は、日本に講演の為来日した際に、ケアに対するパッチ・アダムス本人の発言から。(Wikipedia)