映画『プライドと偏見』(2005年)~詳しい登場人物 PartⅠ ベネット家~

ジェーン・オースティン原作の『プライドと偏見』(Pride and Prejudice)には登場人物も地名も多くよく出てきます。

映画を観るときの参考になればと思い、登場人物については、

・PartⅠベネット家(この記事)
PartⅡダーシー/ビングリー /ウイッカム他
PartⅢその他の登場人物

のように分けて書いています。

また、映画『プライドと偏見』の概要・感想はコチラ です。


今回は、PartⅠのベネット家についてです。

より詳しくということで、映画だけでなく 新潮文庫の「自負と偏見」も参考にしています。
いろいろな出版会社から出ていますが、こちらの本は上下に分かれておらず、1冊という点においても気に入っています。


≪ベネット家≫

ベネット家が住んでいるのは、イギリスのハーフォードシャー州のロングボーン村というイギリスの静かな田舎町。

【ベネット家のパパ:ミスター・ベネット】(カナダの俳優 ドナルド・サザーランド )

映画の中でも本の中でも 名前はなく、ミスター・ベネット となっている。

ミスター・ベネットは、5人の娘たちのことを心から愛している。
特に2番めの娘エリザベスのことがお気に入り。

ベネット家のママが、娘たちの結婚に対してガツガツしているが、パパはゆったりと構えている。

二人は連れ添って23年。

=新潮社「自負と偏見」の9ページ=
「抜け目のなさと辛辣なユーモア、面倒くさがりと気まぐれがまことに奇妙な具合に入り混じっていて~」

 

【ベネット家のママ: ミセス・ベネット】(イギリスの女優 ブレンダ・ブレッシン)

ミスター・ベネット同様、映画でも本の中でも、名前がわからず ずっと ミセス・ベネットとなっています。

ミセス・ベネットは、いつも娘たちの結婚のことで頭がいっぱい。
よく言えば感情豊かだが、嘆くときはうるさいぐらい嘆いたり、やかましく大げさなほど。

ふるまいについて、本人は全く気付いていないが
ピングリーの妹や、ダーシーから嫌悪されている。

 

=新潮社「自負と偏見」の9ページ=
「ミセス・ベネットは、口を開けば神経、神経 という。」
「単純」「洞察力に乏しく世間が狭く、すぐに逆上するたちで、ちょっとでも気に入らないことがあると神経がボロボロになったと言い出す。」
「そんな彼女の人生の目的は娘たちを片付けること、生き甲斐はよその家をたずねてうわさ話に興じることだった。」

 

【ベネット家の長女: ジェイン】(イギリスの女優 ロザムンド・パイク)

ジェインは22歳。
映画の中で、当時のイギリスでは結婚に遅いとされていた年齢。

ミセス・ベネットは、ミスター・ピングリー(登場人物PartⅡに出てきます)に対しても娘を売り込むため、へっちゃらで、「ジェインは、州で一番の美人なんですの」と言ってのけるほど。

ジェインは、いつも穏やかで朗らかで人を疑うことはない。

 

=新潮社「自負と偏見」の8ページ=
「器量ならジェイン」(ミセス・ベネットの言葉)

=23ページ=
「人の欠点なんか、ぜったい気づかない。姉さんの目には、世間がみんな良いひとに見えるのよね。人の悪口を言うところなんか、一度も聞いたことがないもの。」(エリザベスの言葉)

=24ページ=
「何のてらいも下心もなくて、芯からいい人-他人のいいところは何倍も大きくして欠点は一言もせめないなんて人は、まあ姉さんくらいのものね。」(エリザベスの言葉)

 

【ベネット家の次女: エリザベス・ベネット】(イギリスの女優 キーラ・ナイトレイ)

この映画の主人公。

エリザベスは、映画の中で、家族や親しい間からの人からは、リジーとかイライザなどの愛称でも呼ばれている。

上で書いたように、ベネット家のパパの一番のお気に入り。
姉妹の中では姉のジェインと仲良し。

美しく、読書好きで知性を兼ね備え、会話でも機転が利く。
相手が誰であり、遠慮せず、ずばりと言ってしまう。

 

=新潮社「自負と偏見」の8ページ=
ミスター・ベネットは、エリザベスのことを「利発」とみていて、ミセス・ベネットから、ひいきしていると言われている。

=19ページ=
「陽性で茶目っ気がある」

※年齢については、 266ページに、
レディ・キャサリンに歳を聞かれ「二十一にはまだなっていませんわ」と答えているため、エリザベスは20歳だと思われる。

 

【ベネット家の三女: メアリー・ベネット】(イギリスの女優 タルラ・ライリー)

三女のメアリーは、上の二人、そして 下二人ともタイプが違う。

本を好みピアノをひいたり勉強をよくしている。

上のジェインとエリザベスのように美しく華があるというわけでもなく、かといって、下のキャサリンとリディアのように、場所をわきまえずにはしゃぐこともない。

 

=新潮社「自負と偏見」の12ページ=
「おまえは深く物事を考えるたちだすし、いつも分厚い本の抜き書きをしている」(ミスター・ベネットの言葉)

 

【ベネット家の四女: キャサリン・ベネット】(イギリスの女優 キャリー・マリガン)

キャサリンの愛称はキティ。

一番下の妹のリディアと一番仲がよく影響を受けやすい。
リディアと同じく、将校と結婚することを夢見ている。

映画の中では、リディアと一緒に行動していることが多い。

 

【ベネット家の五女: リディア・ベネット】( アメリカの女優 ジェナ・マローン)

すぐ上のキャサリン(キティ)と似たような性格だが、リディアのほうがより積極的で行動的。

自分の行動を冷静に考えることができず自己中心的。
結婚相手は、将校 と決めていて、男性からちやほやされて喜んでいる。

映画の中ではミセス・ベネットが結婚したときの年齢を15歳と言っていたが、本の479ページには16歳と書かれていた。

=新潮社「自負と偏見」の8ページ=
「器量はジェイン、気立てはリディア」(ミセス・ベネットの言葉)

=14ページ=
「自分がいちばん背が高い」(リディア自身の言葉)

 

次の PartⅡでは ダーシー/ビングリー /ウイッカム他について書いていきます。