【大人にも人気の実写版映画『アラジン』(2019年)】のこぼれ話・プチ解説・感想

こんにちは 映画案内人 もすりんです。

『アラジンと魔法のランプ』は、みなさんにとっても、子ども向けの本で読んだり、アイススケートショーで見たりと、なにかと懐かしさがある映画だと思います。

今日ご紹介するのは、実写版の『アラジン』の映画のご紹介です。

この記事を書いてから数日後に、スシローにお寿司を食べにいったところ、若いサラリーマンたち数人の話し声が・・。

詳しくは聞こえませんでしたが、
アニメ版ではない『アラジン』映画を観て、よかったぞ~ と話をしていました。
どうやら、じわじわ~~と大人の間でも人気になっているようです。

それに、実際映画館へ行くと子連れももちろんいましたが、大人だけで来ている、というのが意外に多いのも印象的でした。

 

※追記)
もう一度この映画を見たいということで、8月も行きました(笑)
今回は ほぼ満席ぐらいの混雑で、大人の割合がやっぱり多かったです。
映画館の大画面で観るっていいですね♡

 

■映画『アラジン』について

『アラジンと魔法のランプ』のあらすじについてはみなさんご存じなので、割愛します^^

<映画情報>
製作国:アメリカ
上映時間:128分
原題:Aladdin
監督:ガイ・リッチー
脚本:ジョン・オーガスト
アメリカ公開日:2019年5月
日本劇場公開:2019年6月
原作本:『千夜一夜物語』の『アラジンと魔法のランプ』
撮影期間:2017年9月6日~2018年1月24日
撮影場所:イギリスのロングクロス・スタジオ(※)/ヨルダンのワディラム砂漠
(※)イギリスのロングクロス・スタジオでは、2017年のオリエント急行殺人事件も製作されています。

 

■映画『アラジン』についてのこぼれ話

◆『アラジン』の監督はどんな人?

この映画はアメリカの会社ウォルト・ディズニー・ピクチャーズが制作していますが、映画監督は、ガイ・リッチー(Guy Ritchie)。
ガイ・リッチーは名前からして裕福なイメージがありますが、国籍はイギリスで、イングランド王エドワード1世の末裔にあたるそうです。

ガイ・リッチーは子供の頃に見た『明日に向かって撃て!』に影響を受けて映画監督を目指すようになりますが、幼少期より読字障害のため勉強が困難のため、15歳で学校を辞め雑用係として映画スタジオで働き始めることに。

勉強が困難というのはさぞかし大変なことだった思いますが、早いうちから好きなことを見つけられるっていいですね^^

ガイ・リッチーは、2000年~2008年には、アメリカの歌手のマドンナと結婚。
『シャーロック・ホームズ』(原題: Sherlock Holmes)(2009年)の監督でもあります。

 

◆アラジンについて

アラジンの役には、エジプト生まれで国籍はカナダのメナ・マスード(Mena Massoud)。
メナ・マスード生まれたのは1991年ですから、ディズニーが製作したアニメ映画『アラジン』の1992年公開の1年前。月日がたつのは早いものですね。

ところで、アラジンの名前の由来はご存じですか?

アラジン(Aladdin)は、アラビア語の男性の名前で、Ala-Al-Dinを英語にした名前。
英語での説明では、このように書かれていました。

Aladdin is an male given Arabic name which means “nobility of faith” or “nobility of creed/ religion”.


それぞれの意味は、
nobility・・ 貴族、高潔
faith・・ 信仰、信念、信用
creed・・ 信仰、信条
religion・・ 宗教
このことから、信仰心の篤い人  というイメージがします。


この映画には【魔法のランプ】が用いられますが、この【魔法のランプ】は 今流行りの(!?)潜在意識の象徴だと映画を観ている人は気づくと思います。


魔法のランプ=潜在意識 なのですから、魔法のランプ(潜在意識)の力を信じていないともちろん願いはかなうはずがありません。
潜在意識を活用するには、まずはそのものの存在を認めて、信じること が大切ということを教えてくれているようです。

 

◆ジャスミンについて

ジャスミン姫の役には、1993年にロンドンで生まれたナオミ・スコット(Naomi Scott)。

父親はイングランド人で母親はウガンダ出身のインド系の移民。
1993年にナオミ・スコット生まれましたが、この年はアニメ版のアラジンが公開された翌年にあたります。

このころのご両親もまさか自分の娘が実写版の『アラジン』のジャスミン姫の役を演じるとは思わなかったでしょうね。

ナオミ・スコットの美しさは、映画中ずっと見とれてしまうほど。

このジャスミン(Jasmine)という名前はペルシャ語に由来し、今では中近東から欧米では女性の名前としても用いられているそうですが、ジャスミンは、元々 ヤースミーンというペルシャ語で、神様からの贈り物 というという意味。
ジャスミン役のナオミ・スコットの美しさはまさに 神様からの贈り物ですね^^

物語の登場人物にはそれぞれの役割がわかるようなヒントが隠されていますので、次はジーニーについてみていきましょう。

 

◆ジーニーについて

ジーニー役には、1968年アメリカペンシルバニア州生まれのウィル・スミス(Will Smith)。

実は、ジーニー役には当初ジム・キャリーだったのですが、スケジュールの関係上難しくなり、ウィル・スミスになったとか。
ウィル・スミスとっては、この映画が初のディズニー映画ですが当たり役ですね。


ジーニーの名前については、アラブ世界の伝承では精霊、妖怪、魔人等を意味があります。
この映画『アラジン』でのジーニーは魔人とはいえ、とても陽気。そして、アラジンの下僕という関係ではなく、あくままでも親友だったりアドバイスをしてくれる存在です。


ジャファーの手に魔法のランプが渡ってしまうのですが、ジャファーの3つ目の最後の願いについて、少しわかりにくいと感じる人もいるかもしれませんが、
ジーニーには、魔人や精霊という意味があることを思い出すと どうしてジャファーがランプの中に入ってしまったのかがわかってくると思います。


(余談その1)
1992年のアニメ版の『アラジン』では、今はなき、ロビン・ウィリアムズが声優を務めていました。
2014年にロビン・ウィリアムズは亡くなりましたが、そのときディズニーチャンネルでは追悼番組ということで『アラジン』が放映されたそうです。
この実写版の『アラジン』では、ヒップホップの要素を取り入れたまたひた味違う ジーニーが見られますのでお楽しみに!

(余談その2)
ダリアは元のアラジンのお話には出てこない存在ですが、この映画であたらに作られた役どころ。
ジャスミン姫の侍女のダリアの役は、イラン系アメリカ人のナシム・ペドラド(Nasim Pedrad)で、なかなか存在感がある役でした。
ナシム・ペドラドは、2020年の映画『デスペラードス ~崖っぷち女子旅~』では主人公のウェズリー役。この映画『アラジン』での侍女のダリアの役とは対極のタイプとして描かれています。(こちらは大人向けの映画なので、悪しからず)

 

■映画『アラジン』の感想<ちょっとネタバレ!?>

ウィル・スミスの映画では最近『7つの贈り物』を観たため、ウィル・スミスの名前を聞くだけで、この映画が思い出されて、暗い気持ちになっていたのですが、『アラジン』では、ノリのいい元気なジーニー役として出てくれていたので、ウィル・スミスへ印象が上書きされました~(笑)


因みに、この映画は孫がこれをみたい! ということで選んだ映画で、名探偵コナンの映画とも迷っていました。

映画『アラジン』もそうですが、子ども向けと思っても侮れず、大人が見てもよかったと思わせる作品です。

最初は孫の接待で・・ぐらいな気持ちでしたが、やっぱり映画館で観てよかったです。

普段は自宅のテレビ画面でネットフリックスで映画を観ていますが、映画館で映画はやっぱりいいものですね・・と改めて思いました。


『アラジン』のストーリーはよく知られていますが、この実写版の『アラジン』で気に入ったのは、特に構成面。
冒頭とラストがつながっているところ。

そして、アラジンの魔法のランプの使い方を観ていると、潜在意識を活用の仕方のヒントがわかります。

例えば、
・好きな人がいて、その人と両想いにさせてという願いはかなえられないとか
・権力と力がほしいと願って手に入れても、キリがない・・とか

などズバリいってくれています(笑)


私が最も感動したのは、

魔法のランプには3つ目のお願いができるのですが、アラジンは最後のお願いは自分のために使うのではなく、ジーニーが自由にため に使っています。

ここでも、アラジンが自分だけの幸せではなく、周りの人の幸せも考えているところ。
とかくお願いごとは、自分だけの幸せを願いがちですが、周りの人の幸せを願うところが特に美しく感じられました。

なぜか本を読んだときよりも、この実写版でのほうが、より心に深く響くものがあり、思わず涙が出そうなほど(笑)年を重ねたせいでしょうか・・・

本もそうですが、映画も、読んだり観たりしているときの年齢や、それまでの経験、状況により感動したり感動しなかったり、はたまた感動する箇所が違ってきたり。

子どもにとってすれば、ここが面白い! というところがあるし、大人にとってそこではなく、違う点で感動したり、それぞれにちゃんと響くところもありました。

アラジンは子どものころに読んだから知ってる~知ってる~と思いましたが、もう一度大人になってから実写版の映画を観てみるといいかもです。

自分がどんなところに深く感動するのか、そのことを知ることにより、これから生きる上でのヒントも得られそうな気がしています。

本も映画は心の栄養となりますし、自分の心の扉を開くきっかけを作ってくれるもの。

これからも、映画を楽しみたいと思います。

映画さ~ん、いつもありがとう!!

原作本の『千夜一夜物語』も読みたくなった 映画案内人 もすりん  でした。


完訳 千一夜物語〈1〉 (岩波文庫)

 

それでは、また次回~

 

参考

1992年 アニメ映画『アラジン(字幕版)』