2016年に公開された映画「マダム フローレンス!夢見るふたり」(原題:Florence Foster Jenkins)の主人公のマダム フローレンスは、音痴ながらも自分の好きな音楽界に貢献し、歌うことに命を懸けた女性として描かれています。
【ネタバレなし の あらすじ 前半】
■音楽界に貢献していたマダム フローレンス
映画の舞台は1944年 戦時中のニューヨーク。
主人公の名前はフローレンス・フォスター・ジェンキンス。
莫大な財産を父親から相続したマダム フローレンス(メリル・ストリープ)は、財産と愛をニューヨークの音楽界に捧げ、音楽愛好家のための『The Verdi Club』(ヴェルディ クラブ)を創設。
そのため、資金不足の音楽家たちは、マダム フローレンスに援助を依頼しにくるのだった。
マダム フローレンスはこれまでは音楽活動のための資金援助や、舞台の上で少し登場するぐらいで、歌を披露することはしていなかった。
■ソプラノ歌手を目指すことを決意
ある日、ソプラノ歌手のリサイタルをカーネギーホールで聴きとても感動し、自分もあんな風に歌えたらどんな気持ちになるだろうと妄想する。
そして、自分も歌を習いたいと言いだし、メトロポリタン歌劇場の副指揮者の指導を受けることに。
ところが、気持ちよく歌うも音程が外れたりする。
(マダム フローレンスは自分の音痴さに全く気が付くこともない。)
マダムがかなりの音痴にも関わらず、指導しているトロポリタン歌劇場の副指揮者カルロ・エドワーズ(デイヴィッド・ヘイグ)は「課題は多くある」と言いつつも「ただ、今までで一番いい!」とおだてる。
数名の中から、マダムの専属ピアニストとして採用されたコズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーク)も、マダム フローレンスの歌を初めて聞いたとき、あまりの音痴さに最初は驚き呆然とするも笑いをこらえながらピアノの伴奏を続け、帰りのエレベーターの中で一人笑い出していた。
ただ、夫のシンクレア・ベイフィールド(ヒュー・グラント)は、いつも笑顔でマダム フローレンスをほめるのだった。
■歌を披露したいと言い出したマダム
マダム フローレンス歌が音程が外れているのにも関わらずメトロポリタン歌劇場の副指揮者のカルロ・エドワーズには「素晴らしい」「これぞ本物!」「こんな逸材はいない!」とまで言う。
マダム フローレンスが、「リサイタルを開きたいけれど大丈夫かしら?」と聞くとカルロは「もちろん やれるとも」と笑顔で答える。
しかし、帰り際、マダムのいないところで、カルロは「コンサートの当日、自分は行けない」とシンクレアに告げる。
この時の会話が面白い
カルロ・エドワーズ:
「自分は静養のためフロリダに行く」
シンクレア:
「いつ行くのですか?」
カルロ・エドワーズ:
「先に、そっちの予定(マダムのコンサートの日)が聞きたい」
「そして、自分が教えたことは内々にしてくれ」
「そうでないとが嫉妬されるから」
うま~くとマダムをおだてながら、高額な指導料だけをしっかり受け取り、あとは知らん顔。
「自分がマダム・フローレンスを指導されたことが知れ渡るとマダムが嫉妬されるから」と言い、マダム フローレンスのことを思いやっているフリをして(バレバレですが)自分の身を守るという。
なんとも言えない気持ちになりつつも言い訳の仕方に感心(笑)
結局、マダム フローレンスには、自分が音痴ということを自覚させないままリサイタルを開くことになるのでした。
つづく・・