2016年に公開された映画「マダム フローレンス!夢見るふたり」(原題:Florence Foster Jenkins)。
気に入った理由や場面など、思い出した順番に書いています。
■お気に入りの理由 その10
マダム フローレンスのカーネギーホールでのリサイタルが終わった翌朝、シンクレアとコズメはマダムに対しての批判的な評価をした新聞をマダムの目に触れないようにと、新聞スタンドに出向いて、新聞をチェックし、批判的な記事が載っている新聞はすべてを買い取っていきます。
この行動は、実は、マダム フローレンス自身も、シンクレアが俳優として活躍しているときに批判している内容が掲載されている新聞を、決して見せないようにしていたと自分で言っている場面がありました。
こういところから、周りがどう評価していても、お互いが相手の才能を応援したいという優しい気持ちが伝わってきます。
愛をもってその人を見られるようになると、本当に素敵。
周りの人の意見に左右されたり、自分自身が他の誰かと比べてへこんだりしがちですが、何かを「好きになる」「夢中になる」という自分の気持ちは、大切にしたいものです。
■お気に入りの理由 その11
【最後のシーン】
シンクレアはマダム フローレンスの音痴を知りつつも25年もの間、悪くいう意見を封じ込めることにエネルギーを注いできました。
マダム フローレンスは最後には、「自分のことをみんな笑いものにしていたのね」とやっと気づくのですが、シンクレアは「自分だけは違う」「君の声は真実の声だ」というのでした。
マダム フローレンス:
Was everyone laughing at me the whole time?
シンクレア:
I was never laughing at you. Yours is the truest voice I have ever heard.
シンクレアの【the truest voice】 は、とても深い言葉だと感じます、
字幕では 【真実の声】と書かれていましたが、この部分については、もっと違う日本語の表現にできないか、自分で自分に宿題を出すことにしました。
いつか、きっとひらめきますように(笑)
さて、話は戻ります。
落ち込んでいたマダム フローレンスをシンクレアが励まし、自分が拍手喝采を浴びているリサイタルの場面も思い出しながら、マダム フローレンスは「ひどい悪声だと非難されても 歌った事実は消せない」と言います。
フローレンスのことを、「音痴のまま恥をかかせて可哀そう」 という考え方ももちろんあります。
でも、誰がなんと言おうが自分の人生は自分がどう感じるか が大事ということも映画を通して教えてくれているような気がします。
本当に好きなことにめぐり逢うことができ、命を懸けたマダム フローレンス。
大好きな音楽に打ち込み、周りの応援を得て、とても幸せな人生だったなと感じさせます。
「マダム フローレンス!夢見るふたり」は繰り返し観たくなる映画の1本になりました^^