【古典小説「虚栄の市」が原作/ 女性監督の映画】『悪女』<ネタバレなし>の あらすじ ・キャスト・感想

こんにちは 映画案内人 もすりんです。

映画の邦題は『悪女』というタイトルで、原作は古典小説の「虚栄の市」です。
そういうことも知らずに映画を観たのですが、かなり面白かったです^^

いつかは「虚栄の市」を読もう・・・と思いつつ、
ず~~~っと読んでいなかった小説でしたが、
この映画を観たら、こんなに面白いならもっと早く読めばよかったと
後悔するほどでした。

小説「虚栄の市」は、
これまでも、1923年、1932年、1935年、1967年など、
映画やドラマとしても映像化されていていますが、
今回ご紹介するのは、2004年に映画化された作品。


原題は『Vanity Fair』なので、
「虚栄の市」の原題を知っている方や海外の方には
原作に基づく映画だとわかったかもしれませんが、
邦題のタイトルが『悪女』では、さか小説の「虚栄の市」だったとは・・


アメリカの女性作家ジーン・ウェブスターの小説「あしながおじさん」の中でも、「虚栄の市」の小説名も出てきた記憶があります。
(↑間違っていたらすみません)
「虚栄の市」の小説が発表されて以降、多くの人に読まれて、
影響を与えているのがうかがえます。


それにしても、どうしてこの映画が、日本では劇場未公開だったのでしょうか・・・・。
とても残念にも思いました。


※小説「虚栄の市」についての予備知識※
著者:ウィリアム・メイクピース・サッカレー(William Makepeace Thackeray)
1811年7月18日 – 1863年12月24日
イギリスの小説家でインドのカルカッタ出身。
1800年代を描き、当時のイギリス領のインドのことも出てきます。

上流階級を痛烈に批判した『虚栄の市』で文名を高め、
ディケンズと並びヴィクトリア朝を代表する小説家。
ほかに『ペンデニス』など。(Wikipedia)

■映画『悪女』のネタバレなしのあらすじ

19世紀のロンドン。貧しい生まれの女は、持ち前の上昇志向で上流社会への道を切り開く。機知と美貌を武器に、彼女は老齢の貴族や彼の尊大な息子を翻弄してゆく。(ネットフリックス)

※ネットフリックスのあらすじのような受け取り方もできますが、
この映画からは、翻弄して・・とは思えないような気もしました。
みなさんはどう思いましたか?

<映画情報>
製作国:2004年
上映時間:140分
原題:Vanity Fair
監督:ミーラー・ナーイル
脚本:ジュリアン・フェロウズ/マシュー・フォーク/マーク・スキート
日本劇場未公開

原作本:Vanity Fair(訳本「虚栄の市」)

※監督ミーラー・ナーイルについて※
ミーラー・ナーイル監督は、1957年生まれ。
インド出身の映画監督、脚本家、プロデューサー、女優。
女性が描く、女性の映画はやっぱり面白いですね^^


※脚本家ジュリアン・フェロウズについて※
ドラマ・シリーズ『ダウントン・アビー』の製作および脚本家。


女性の監督でしかも、脚本にはジュリアン・フェロウズが
携わっているのでしたら、映画が面白いはずです。
超納得のもすりんでした(笑)

■映画『悪女』の主な登場人物/キャスト

【レベッカ(ベッキー)・シャープ】

リース・ウィザースプーン(Reese Witherspoon)
1976年 アメリカ生まれで、女優・プロデューサー。


生まれは貧しかったが、地位を確立しようと強くたくましく生きる女性役。
愛称のベッキー。
クローリー家の次男と結婚するので、結婚後は クローリー夫人とも
呼ばれています。

映画のタイトルは『悪女』ではありますが、
リース・ウィザースプーンの演じたベッキーは、
下品なところは感じさせず、前向きに、いきいきとしていて、
とても魅力的な女性として描かれています。


映画『悪女』の話の中では、妊婦の役も演じるのですが、
撮影当時は、第二子の妊娠中のため、
おなかを隠すための衣裳を着用していたそうです。

この映画の中で、一人目の男の子が生まれたあとも、
ちょっとお腹が大きいような気もしていて、
二人目も生まれるストーリーなのかな・・と思ったのでした。

でも、撮影中に妊娠中だったとあとからわかって、
やっぱりお腹がおおきかったんだ~と納得しました。
出産も無事でよかったです^^

 

※リース・ウィザースプーンについて※


リーズ・ウィザースプーンと表記されることもあるが、リースが最も近い発音。
アメリカ独立宣言署名者ジョン・ウィザースプーンの子孫である。(Wikipedia)


7歳の頃にテレビ・コマーシャルのモデルに選ばれていますし、
これまでも数多くの映画に出演。
私も何本が観ていますが、彼女が出ている映画の中では、この作品が一番のお気に入りとなりました^^

リース・ウィザースプーンは、
私の好きな女優、ロザムンド・パイクが主演の
映画『ゴーン・ガール』の製作にも携わっていました。

【ロードン・クローリー】

ジェームズ・ピュアフォイ(James Purefoy)
1964年生まれのイギリスの俳優。


ベッキー・シャープが家庭教師となった、準男爵家クローリー家の次男。
軍人で、カード賭博でいくばくかを稼いでいる。


※ジェームズ・ピュアフォイについて※
寄宿学校に入るが、途中でやめて、働きながら、
ヨーロッパを旅し、夜間学校で大学への入学資格を得たそうです。

そのあとも演劇学校も学費を得るため、
授業あとには、病院の清掃をしたり、となかなか苦労された方です。

若手俳優時代の1997年にはイギリスのテレビ雑誌による
「セクシーな男(hunk of the year)」に選出された経験がある(Wikipedia)

【ジョーゼフ・セドリ】

トニー・モーズリー(Tony Maudsley)
1968年生まれのイギリスの俳優。

アミーリアの兄。
インドで仕事をしている。

レベッカ(ベッキー)に魅了されて結婚を申し込むが、
彼女の生まれ育ちのことを友達に言われ、考えなおすが・・・

【アミーリア・セドリ】

ロモーラ・ガライ(Romola Garai)
1982年香港生まれ。


レベッカの学校時代からの親友。
心優しい性格。
ジョージ・オズボーンと結婚の約束している。

妻をあまり顧みないジョージ・オズボーンをひたすら愛し続ける、
気持ちがまっすぐで純粋な性格。


※ロモーラ・ガライについて※
『タロットカード殺人事件』や『ワン・デイ 23年のラブストーリー』にも
出演していたそうですが、主演ではないためあまり印象には
残ってはいませんでした。(また観たらチェックしてみます)

とはいえ、ロモーラ・ガライは、
2004年公開の『ダンシング・インサイド/明日を生きる』では
ロンドン映画批評家協会賞助演女優賞を受賞しています。

【ジョージ・オズボーン】

ジョナサン・リース=マイヤーズ(Jonathan Rhys-Meyers)
1977年アイルランド生まれ。


富裕な商人の子で父親は、アミーリアとの結婚に反対している。
不誠実な遊び人という役


※ジョナサン・リース=マイヤーズについて※

美しい青い瞳の持ち主としても有名であり、
2006年 – 2007年にヴェルサーチの広告モデルをつとめた。
また、2005年からヒューゴ・ボスの香水のイメージモデルをつとめている。(Wikipedia)

【ウィリアム・ドビン】

リス・エヴァンス(Rhys Ifans)
1967年生まれのイギリスの俳優。


ジョージ・オズボーンの親友だが、アミーリアにずっと恋をしている。
彼の恋は報われるのか・・・。


※ウィリアム・ドビンについて※
1999年『ノッティングヒルの恋人』では、
ヒュー・グラント扮するウィリアム・タッカーの同居人役。
風変わりなあの同居人のスパイクがウィリアム・ドビンとは・・。

【ステイン侯爵】

ガブリエル・バーン(Gabriel Byrne)
1950年アイルランド生まれ。


レベッカ(ベッキー)・シャープの父親は画家で、
その絵を好んで収集している。

レベッカ(ベッキー)がロードン・クローリーと結婚後、
引っ越したのが偶然ステイン侯爵の近くだった。
資金が苦しくなったときに、レベッカに手を差し伸べるが・・・


※ガブリエル・バーンについて※
1998年の映画『仮面の男』では、ダルタニアン役。
この映画はレオナルド・ディカプリオがルイ14世を演じていました。
『仮面の男』もおすすめです!

■映画『悪女』の感想

(※ネタバレ注意)

相手を翻弄するとあらすじにありましたが、
上で書いたように映画を観る限り、そんな風には感じませんでした。
(翻弄するというよりも 生きるための術 として映ります) 
多分、小説を読んでいると、レベッカの行動の見かたも変わるのでしょう。

映画の中盤で、
戦争中で 敵がこちらにやってくるという噂があり、
多くの市民が町から逃げていこうとします。

アミーリアは、戦争にいった夫のジョージの無事を確認しようと
逃げることよりも、夫を探そうと必死の形相。

このとき、レベッカは身重で、かつ親友のエミーリアも身重。

レベッカは敵から逃れようと馬車に乗ろうとしますが、
エミーリアの半狂乱の姿を見て、逃げるように説得はしますが、
聞き入れられず、仕方なく レベッカはエミーリアとともに、
町から逃げず、そこに留まります。


ですから、本当は思いやりが深く、心が強く、
この人こそ守らなければという人に対しては
守り通すという気持ちがあり、勇敢な女性としても描かれています。
(この部分で私のレベッカにする好感度がぐ~んと上がりました)


レベッカは、クローリーの次男のロードンと結婚し
ロードン夫人と呼ばれますが、伯母さん遺産は長男が受け継いたことや
稼ぎが少ない状態のため、自分の息子にいい教育を受けさせることができません。

息子のため、自分たちの生活のために、
ステイン侯爵の援助してもらうことになります。


ネタバレになるので詳しくは書きませんが、
ある場面でのことが、夫のロードンに誤解され、
結局は、悪いうわさが飛び交うようになり身を落としていくレベッカです。

生きるために必死な女性で、
彼女が、美しく魅力的で、目立つ存在だったからこそ、
嫉妬から好ましくないうわさが広まってしまった気がします。
※そもそも、目立たない人や嫉妬されないような人だったら
噂にものぼりませんので・・。出る杭は打たれる ですよね(笑)

ストーリーは前後しますが、
晩餐会が開かれたとき、
彼女のことを無視しようとしたり、馬鹿にしたり、下にみたり。。
悪い噂を流した彼女の周りの人たちのほうがよっぽど悪しき人々だと思えてきます。

この映画をみて、
噂で人を判断するべきではないとも言っているような気がします。

なにをもって『悪女』なのか、
したたかに生きること= 悪女 ではないはずです。  
この点を強調したいと思います。

なぜなら、一見純粋でまっすぐなエミーリアでさえ、
結局のところジョージの親友のドビンの想いを利用しているのですから。
(ひいき目でみたとしても、エミーリアの無意識かもしれませんが)

この映画に登場人物すべてが、
映画のタイトルにある『悪』の部分を持ち合わせているようです。

そもそも、人間だれしも、聖人君子ではないので、
悪しき心は少なからず、みなもっているはず。

さまざまな登場人物には、自分にも思い当たるパーソナリティーがあるからこそ、この映画にのめり込みやすいし、面白いと感じるかもしれません(笑)

この映画では、レベッカが主人公として描かれていますが、
周りの人たちについても丁寧に描かれています。
これは、テレビドラマの『ダウントン・アビー』でも、
誰が主人公なのかわかりづらかった気がしました。
脚本家が同じというのも頷けます。

■映画『悪女』のタイトル評


上でも書きましたが、なにをもって邦題を悪女にしたのか疑問が残ります。

原題の 【Vanity】 については、 虚栄 のほかに、うぬぼれ、見栄などあります。

そして、【Fair】 については、 ~フェアのように、
市場とか、展示会という意味もあります。

映画で描かれた、当時の上流階級など、登場人物だれもが、【Vanity (虚栄心)】をもっている、虚栄心を持つ人たちの品評会みたいなイメージかもしれません。

実は、小説のタイトルの「虚栄の市」を聞いても、
どういうストーリーなのか、全然ピンとこなかったのですが、
映画をみて、やっとどういう小説なのかがわかりました

邦題のタイトルを悪女にした理由としては、いろいろと考えたのですが、
Fairについては、
〈古語〉として、美女、最愛の女性 美しさ、美
といった意味があります。

なので、そういう意味でつけられたタイトルかもしれません。

主人公のベッキー(クローリー夫人)だけが、
悪女だったのでしょうか?

映画の中で、クローリー夫人のことについて
へんな噂をした人のほうがよほど悪女です。

ですから、この悪女というのも、クローリー夫人だけでなく
周りの人すべてを指しているのかもしれません。

でも映画の中には 男性もいますよね・・
なのに、『悪女』としたことに、女性の私としては
まだ腑に落ちてはいませんが、
男性よりも女性のほうを多く映し出しているような気も無きにしもあらず・・。

ちなみに、原作本は、虚栄の市〈一〉 (岩波文庫)

※岩波文庫の場合は<一>~<六>の六冊・・
これほどの長編の場合は、映画を観てからのほうが読みやすそうです。

 

 

それでは、また次回お会いしましょう♪