【アカデミー賞 主演女優賞受賞作品】映画『アリスのままで』の あらすじ ・キャスト・<ネタバレ注意!>の感想

こんにちは 映画案内人 もすりんです。


映画『アリスのままで』はリチャード・グラツァー監督の最後の作品で、若年性アルツハイマーを扱った映画です。

リチャード・グラツァー監督は、この映画の企画が持ち上がった2011年に、筋萎縮性側索硬化症と診断され、その後は、様態が悪い中にも関わらず、右足の親指でiPadを叩きながらも監督として撮影を1日を休むことがなかったという。

自分の最後の命を削って仕上げた映画です。

■映画『アリスのままで』のネタバレなしのあらすじ

主人公のアリスはコロンビア大学の教授。
夫のジョンは医師で、3人の子供に恵まれ しあわせな日々を送っていた。

ある日、アリスの専門分野の言語学に関する講演しているときに、突然単語が出てこない。
それだけでなく、道に迷ったりと、いつも作っていた料理が作れなくなったり・・。
記憶が曖昧になってきたため病院行くと、若年性アルツハイマーという病名を告げられしまう。

若年性アルツハイマーは進行が早く進むという。

アリスはそのことを知り、自分の娘の名前や自分の誕生日が言えなくなったら、どうするのか自分へのビデオメッセージとして残す。

<映画情報>
製作国:2014年 アメリカ
上映時間:101分
原題: Still Alice
監督:リチャード・グラツァー/ワッシュ・ウェストモアランド
脚本:リチャード・グラツァー/ワッシュ・ウェストモアランド

原作本:『Still Alice』著者リサ・ジェノヴァ

■登場人物/キャスト

【アリス・ハウランド 】

アリスはコロンビア大学の教授で専門は言語学。
美しく知性的。
3人の子をもつ母親。

そんな彼女が50再にして若年性アルツハイマーを発症してしまう。

アリスの役には、アメリカ ノースカロライナ州出身のジュリアン・ムーア(Julianne Moore)。

ジュリアン・ムーアは、この映画で第72回ゴールデングローブ賞の主演女優賞(ドラマ部門)と第87回アカデミー賞の主演女優賞を受賞しています。

 

(※参考)
ジュリアン・ムーアは『マップ・トゥ・ザ・スターズ』でも
女優賞を受賞しています^^

また、ジュリアン・ムーアの旦那さんは映画監督の、
バート・フレインドリッチです。
映画作品のひとつに『理想の彼氏』があります。
私たち女性にとっては、夢のあるストーリー♪

 

【ジョン・ハウランド】


アリスの夫で医師であるジョンの役を アレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)。
アリスの寄り添おうと努力している優しい夫。

アレック・ボールドウィンはアメリカ合衆国の俳優、プロデューサー、司会者。

【アナ・ハウランド=ジョーンズ 】

アリスの長女でチャーリー・ジョーンズと結婚し子供を望む夫婦。

アナの役をアメリカの女優ケイト・ボスワース(Kate Bosworth)が演じています。


【リディア・ハウランド】

アリスの次女で女優を志望。
だが、アリスは大学へ行くことを強く勧めるが、リディアは決して聞き入れず、自分らしく自分の道を進みたいという。
そのためアリスとリディアはすぐ喧嘩してしまうような関係。

リディアの役をアメリカの女優クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)。


【トム・ハウランド】

アリスの長男で医大生のトムにはハンター・パリッシュ(Hunter Parrish )。

アメリカバージニア州の出身のハンター・パリッシュは、俳優であり歌手。

■『アリスのままで』の感想<ネタバレあり>

病気はいつ突然、だれの身に起こるのか わからない。
だから決して他人ごとではない。

アリスのような優秀な言語学者が、皮肉なことに研究対象だった言葉を失っていく。
自分の病気を知ったアリスのショックはどれほどだったのか。

モノを忘れるぐらい だったのが、自分の家のトイレの場所すらわからなくなり、娘の顔がわからなくなったり、自分の誕生日さえも言えなくなってしまう。

映画の最初には、大学教授としてのアリス(ジュリアン・ムーア)はとても知的で美しく本当に輝いていた。

そのアリスは、若年性アルツハイマーということがわかり、自分なりに言葉を忘れないように努力するが徐々にアルツハイマーに侵されてき、洋服も自分一人では着ることができないぐらい 日常生活もままならない状態になっていく。

長女のアナに双子が生まれたので、夫のジョンに連れられて病院へ行く。
アリスは、うまれたばかりの赤ちゃんを抱っこさせてと伝えると、アナの夫のチャーリーは、アナにいいかどうか確認する。

それほどに、アリスのアルツハイマーが進行してしまっているのだった。
この場面でもう涙が出そうになる。
家族としても、あの美しい妻が、そして、自慢したいほどの素敵な母親が
このような状態になるとは・・。


医師で夫のジョンはアリスに優しく献身的に尽くそうとする。
アリスは夫に1年の休暇をとってほしいとお願いするが、経済的な面ではジョンも仕事せずにはいられないという。

そばにいてほしいという気持ちもわかるが、やはり大黒柱の夫は働かざるを得ない状態にあるということも理解できる。

しばらくすると、別の病院へ来ないかとジョンに話があり、ジョンも自分のキャリアのために、その病院で仕事することを望みアリスに一緒に来るように言っていたが、アリスは、とてもじゃないけれど引っ越しの準備などできない状態にないことは、家族のだれが見てもわかるほどに。

家族も覚悟をしていたものの、これほどまでにアリスの病状が進むとは思っていなかったのでしょう。

今後どうするのか、長女のアナ、次女のリディア、長男のトムと話し合うが、長女のアナには双子が生まれているので、とてもアリスの面倒は見られないし、トムも医学部での勉強があるので任せられない。

そのため、ロサンゼルスに離れて暮らしていたリディアにアリスを託すことなった。

リディアはニューヨークに戻り、母親のアリスと一緒に暮らしながら、女優を目指すことを決意。

仲たがいしていたリディアが、演劇のセリフなど一生懸命話しかける。
母親アリスは、もうどんな内容だったかはわからないが、愛  とだけはなんとかいうアリス。

リディアの愛はしっかりとアリスの心に深く伝わっているようだった。

ジョンが仕事で家をでるときにジョン自身も泣いていたが、自分のキャリを選んだジョン。
ジョンにとっても、美しい妻のその変わりようを見ていられないかもしれません。

その点、母親のアリスに対して一番反発したリディアはボーイフレンドとも別れて自分の家に戻り、一緒に暮らしながらアルツハイマーの母親の面倒を見るという決断をする。

ジョンの選択とリディアの選択。

今度、ジョンが家に帰ってきても、アリスはきっとジョンの顔さえ わからないはず。
そうなるとジョンは、自分の選択について後悔するかもしれない。

自分はそのとき、どういう選択をするのか・・

家族の誰かが病気になったとき、ちゃんと家族に向き合えるかどうか、映画ではここも問われている気がする。


この映画では言語学者だったにも関わらず、だんだんと記憶を失い、言葉を失っていく主人公のアリスが描かれているが、監督自身も筋萎縮性側索硬化症に向かいながらの撮影。

監督自身もアリスの姿に自分を重ねていたことでしょう。
アリスに対してはもちろん、監督の想いも丁寧に感じながら観てほしい映画です。

おすすめ度:💛💛💛💛💛

こちらが英語版の原作本です。

【参考】
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💛💛💛・・・・・まあまあ普通