【見始めたら止まらない政治ドラマ】『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の感想など

『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は見始めると止まりませんのでご注意を。
政治をテーマにした単なるドラマではなく、そこにはダークなサスペンスの要素もあり、とても見ごたえのあるドラマ。
1話だけにしようと思いつつも続けて3話もついつい見てしまうことも・・・
翌日に支障をきたすことのないよう、どうぞきちんと時間の管理をしながらご覧あれ。

■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のネタバレなしのあらすじ

シーズン1
公開年: 2013
ホワイトハウスの裏切りを決して許さない — 復讐に燃える怜悧狡猾な下院議員フランクは、秘めたる野望実現のため、あらゆる手段を講じてしたたかに進む。

シーズン2
公開年: 2014
新しいポストを手に入れてもフランクの野心はとどまることを知らない。妻のクレアと共に、敵を欺き味方を利用しながら復讐と裏切りのパワーゲームを突き進む。


シーズン3
公開年: 2015
大統領にまで上り詰めてもその権力死守のため闘い続けるフランクと、ファーストレディの座に満足しないクレア。頂点を極めても絶えない野望に、夫婦の絆は…。


シーズン4
公開年: 2016
これまで抜群のチームワークで野望の階段を上がってきたフランクとクレア。だが、夫婦の危機を迎え敵対する目標を掲げる今、互いにとって最強のライバルとなる。


シーズン5

公開年: 2017
次から次へと失墜の危機に見舞われるが、ホワイトハウスでの地位を揺るがないものにするため、邁進し続けるフランクとクレア。目的のためには手段を選ばない。


シーズン6
公開年: 2018
フランク亡き後、米国初の女性大統領として最高権力を手に入れ勢いに乗るクレア・アンダーウッド。だが、そんな彼女を葬り去らんとする敵の脅威も増していく。

Netflixより

<映画情報>
公開年月日:
シーズン1 2013年2月1日(13話)
シーズン2 2014年2月14日(13話)
シーズン3 2015年2月27日(13話)
シーズン4 2016年3月4日(13話)
シーズン5 2017年5月30日(13話)
シーズン6 2018年11月2日(8話)

原題:House of Cards
監督:デヴィッド・フィンチャー/ケヴィン・スペイシー/エリック・ロス/
Joshua Donen/Dana Brunetti/Andrew Davies/Michael Dobbs/John Melfi/
ボー・ウィリモン/David Manson/John David Coles/ロビン・ライト/

※デヴィッド・フィンチャーの作品には2014年の『ゴーン・ガール 』(現代:Gone Girl )があります。
まだ観ていない方は、こちらもおすすめです。

※脚本について
メイン脚本家のボー・ウィリモンは1998年にある上院議員の選挙キャンペーンに参加したのを手始めにヒラリー・クリントンらと働き、2004年の民主党大統領予備選ではハワード・ディーン候補と働いた。作品にはこの政治経験が生かされている。

※この作品のの原型は、1990年にイギリスでテレビ放映されたドラマシリーズ『野望の階段(英語版)』。
(Wikipedia)

■映画『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の主な登場人物/キャスト

(かなり多くの登場人物がいますすので、その中からほんの数人のみピックアップしました)

フランシス・アンダーウッド(通称:フランク)】
サウスカロライナ州第5選挙区選出の下院議員で、アメリカ民主党の下院多数党院内幹事というところから、
ドラマは始まります。

*ケヴィン・スペイシー(Kevin Spacey)
1959年生まれの俳優、俳優、監督、プロデューサー、脚本家、歌手

1999年の『アメリカン・ビューティー』のレスター役。
この役でアカデミー主演男優賞と英国アカデミー賞 主演男優賞を 受賞
2011年の『モンスター上司』の上司デイヴ・ハーケン
2014年の『モンスター上司2』でも同じ役
2016年の『メン・イン・キャット』のトム役

 

【クレア・アンダーウッド】
フランクの妻。ハーバード大学卒業で夫と同じく野心がある。

*ロビン・ライト(Robin Wright)
1966年アメリカ生まれの女優(2018年に3回目の結婚をされています。)
このドラマで第71回ゴールデングローブ賞のテレビ部門で女優賞(ドラマ部門)を受賞。

このドラマででは、ロビン・ライトなど、有名女優がいくつかのエピソードの監督を務めていて、
ジョディ・フォスターの名前もあるらしいです。私は気づかずでした。
次観るときは、ジョディ・フォスターの名前を探してみては・・

1994年の『フォレスト・ガンプ/一期一会』のジェニー・カラン役
(若いころのロビン・ライトが見られます♡)
2002年製作のドキュメンタリー映画『デブラ・ウィンガーを探して』にも出演
2011年の『マネーボール』のシャロン役

いかなるときも、凛としてます。
二の腕からしても鍛えているな~という気がして。
醸し出す雰囲気が好きです。(怖いところもあるけれど、それもまた魅力!?)
このドラマの中では、1959年生まれのケヴィン・スペイシーと同じ年という設定になっていますが、
年齢差はやっぱりありますね。

14歳からモデルとしてパリや日本で活躍し、高校卒業後に女優になることを決めたとか。
どこかで目にしているかもしれませんね。

 

【ダグラス・スタンパー(通称:ダグ)】
フランクの助けにより立ち直った過去を持ち、フランクに忠誠を誓っている。

*マイケル・ケリーMichael Kelly)
1969年アメリカ生まれの俳優

2009年の『噂のモーガン夫妻』のヴィンセント役。
個性のある顔立ちなので、印象に残ります。

 

【トマス・イェーツ】
元は小説家で夫妻のスピーチライターにもなるが・・・

*ポール・スパークス(Paul Sparks)
1971年アメリカ生まれの俳優。
ダグ役のマイケル・ケリーとは2歳しか年が違わないというのが意外でした。

『ザ・クラウン』 (シーズン2)のビリー・グラハム役。

 

■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』原作との違い

本作は、イギリスのマイケル・ドブズ(サッチャー首相政権で首席補佐官を務めた)の小説『ハウス・オブ・カード』と、1990年から1995年にBBCが製作し、アンドリュー・デイヴィスが脚色したテレビドラマ『野望の階段(I~III)』を原作にしている。このイアン・リチャードソン主演の原作版は人気を博し、日本でもNHKで放映されている。これを、映画『スーパー・チューズデー~正義を売った日~』の脚本家ボー・ウィリモンが、舞台をアメリカに置き換えて企画した。主人公の名前はフランシス・アンダーウッドだが、イギリス版ではフランシス・アーカート。アーカートのほうがアンダーウッドより年齢は高いと思われ、アーカートが老いた自分を意識するという描写が多い。アーカートはイギリス保守党の議員で、庶民院(アメリカでいう下院)の院内総務長である。BBC版の第1シリーズはドブズの小説の悲劇的結末と異なり、BBC版の第2シリーズ(「野望の階段II」)と第3シリーズ(「野望の階段III 最終章」)につなげることができるように変更された。(Wikipedia)

 

■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の感想

この映画をみると政治に興味なかった方も、これから政治についての見方が変わると思います。

この映画の中で印象に残ったのは、お金よりも権力だ という考え方、そして、何かの理由付けの際に多用される「政治的理由」という言葉。

この政治的理由という言葉には、いろんなことがごちゃ混ぜに都合よくつっこまれています。
何かしらに意義を唱えたり、納得しない場合でも「政治的な理由だから」という一言で片づけられてしまう。

田舎のさえない男性が大統領にのし上がるまでのお話かと思いきや、そこに至るまでの悔しい思い、人を殺めてまで自分の野心を満たそうとしたり、周りの人は単なる駒として扱い、あるときは味方に引き入れ、都合が悪くなったら、今は状況が違うとかなんやかやといってあっさり裏切る。

そんな風な映画とは知らずに見始めた私。
次はどんな展開なんだどろう・・・もういよいよ不正が暴かれる。絶対絶命と思っても、うまく乗り越え次の策を練る。

そんな人にはなりたくはないけれど、行動力とずる賢さは見事なもの。

フランクに使えるダグは、最初から不気味な雰囲気を醸し出す。
表情がなく、ほとんど笑顔をみせない。口だけが笑うこともないし、目でも笑わない。
フランクに一時は邪険にされても、それでも忠誠を誓って仕えようとする。
その心境が不思議でたまらないのだが、そこには、お酒におぼれたり窮地に陥っても
自分を拾ってくられたという恩義もあるという。
立場の強い人につくレミーとは対照的。

あとなんといっても、クレアなくしては語れない。
スタイルも抜群で、いつも体のラインが出る服を着ているけれど、そのラインが魅力的。
体鍛えてる感もある。
美人に見えるのです。

クレアも公の場では笑顔になるけれど普段は笑顔は消えている。
そんな笑顔が見せないクレアだからこそ、ふっと笑うとさらに素敵に見えてしまう。

フランクとクレアの夫婦関係もまた興味深い。

お互いに別の情勢と深い仲になったとしても、それを諫めることもない。

自分たちの野望のためというのなら。
フランクのクレアへの想いは、クレアが笑顔になるのなら、という深い思いやりも見え隠れする。
こういった感情が見えると、人間らしく感じる。

このドラマでは、ところどころで主人公のフランクが見ている私たちに本音を語ってくれている。
(シリーズの後半はクレアも)

普通!?の映画では、登場人物のセリフや表情、しぐさから、どういう心の状態かをくみ取っていくことになるけれど、この映画ではフランクが相手にお上手をいったり、偽りの言葉でうまいこと事態切り抜けようとしたり、
相手がきっとこういう言動に出るだろうと予測して何かしら話したり行動することもあり、セリフだけでは何が本音なのかがわかりづらい。だから、こういう進めなのでしょうが、それこそ、本音とは違うということが多い世界に生きるフランクということになる。


私がこのドラマで好きなシーンは、フランクとトムとの会話。51話でクレアとトムが深い関係になったことを書くにするための会話。
フランクは、トム・イエーツに、クレアとは遊びではないんだよね?と。

こういうシーンからしても、ドラマが進んでいくと、フランクは心底クレアを深く愛しているように思えてしまう。

あと、フランクも途中からで、ポロッポロッとクレアの怖さを画面越しの私たちに話してくれる。

クレアが求めていた権力を手に入れて別人になっていってしまう。
が、このことをフランクもわかっていたのかもしれない。
別人なると書いたけれど、これが本当のクレアだったのかもですが。

どんな風な展開になるかはぜひドラマを見てのお楽しみということで。

記事はできていないけれど、アウトランダーも落ち着いたらもう一度みたいなと思いつつもアウトランダーは肉体で戦うシーンが多いので、しんどく感じる。
こちらのドラマもちょっとしんどいけれど、それは肉体的に戦うアウトランダーとは違って、心的に戦うことが続いていく。どちらも疲れるな・・と思いつつも見てしまうのです(笑)

主人公たちの野心と策略には驚くばかりだが、そんな主人公たちのいいところにも目を向けてみることに。
自分にとって都合が悪い状況になっても、あきらめず、なんとか打破しようとするその精神力や生き抜こうとする力。(もちろん、周りの人を陥れるという戦略は好ましくないですが)
いい意味で諦めないというところも、

これだけ毎日見続けるとケヴィン・スペイシーの英語が聞き取れるようになっているような・・
あくまでも、気がするですが(笑)

■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のタイトル評

邦題は現代の「 House of Cards」のままだけれど、カードは単数形にしている。
日本語でCardsはカーズとすると、アニメのCARSになってしまうので、それは仕方ないかな。

タイトルの「ハウス・オブ・カード」は英語で「(トランプの)カードで作った家」、つまり「壊れやすい家」という意味があるが、英語の「ハウス」そのものに「議会」「議院」、「カード」には「戦略上の駒」「切り札」の意味もあり、様々なカードを切りながら政界を上り詰めつつも、いつ崩壊しかねないスリルといったダブル・ミーニングを持つ。(Wikipedia)

話が進むと、このタイトルの「カード」は切り札ということが分かってくると思いますが、「ハウス・オブ・カード」とは、トランプで作ったカードで壊れやすい家という意味だと知るとさらに納得です。
細かいこと言うと、放題の「カード」の単数形では原題とは意味が違ってしまいますが。

原題のタイトルはこれ以上にないと思うほど気に入っています。

■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のよもや話

シーズン6製作とケヴィン・スペイシーのスキャンダル
シーズン6は発注され、撮影は2017年10月に開始された。ところが2017年10月30日、ケヴィン・スペイシーの未成年男子へのセクシャル・ハラスメント疑惑が明らかになった後、シーズン6が最終シーズンになると発表された。その翌日、シーズン6の撮影は無期限に中止された。2017年11月3日、Netflixはスペイシーを起用してのハウス・オブ・カードの製作は行わないと発表した。2017年12月4日、Netflixはケヴィン・スペイシーを外し、シーズン6を8話に短縮して2018年に撮影を再開すると発表した。(Wikipedia)

 

**こんなグッズも発見**

主人公がはめていた指輪、売っているんです(笑)
映し出されるたびに、気になっていたのですが・・

商品説明の【これをつければあなたもフランクのようなパワフルな野心と精神力がみなぎるかも!?】というフレーズは、にくいですね。